水中でのからだの動きに対して、水の抵抗を感じることは当然のことですが、この水の抵抗は、様々な条件で成り立っています。
その条件として、動く物体の面積や形、水の温度などその状態、動きの速度などを上げることが出来ますが、同時に、水の抵抗は、水の性質のひとつ、粘性によってさらに抵抗を増します。
ところで、陸上でも空気の抵抗というものが存在します。
この比較をしてみましょう。
気温が15.5℃のとき、空気の抵抗は水中の約60分の1です。
ところが、空気と水の密度に大きな差があり、水の密度は空気の密度の約830倍にもなりますので、水中では、空気中より12~13倍の粘性抵抗が生じるのです。
さらに、人の体は、水と成分が似ているといわれます。
たとえば、鉄くずや木片などが手にくっつくことはないのですが、水を水中からら持ち上げると、手のひらには、水のしずくがいっぱい付いています。
この粘着力が、水中の抵抗力を増大させています。
実験1 やってみて!!(粘性抵抗ストレッチ)


では、水中運動と抵抗は、どのような関係があるでしょうか?
1. 陸上と比べると、同じ速度、同じ運動で、陸上に比べて、約19倍の抵抗を感じます。
水深が胸程度のところを1秒で1メートル歩く場合、陸上の28メートル走るのに相当します。
2. 水中では、皮膚への圧感を利用して、空気中より自分で運動をコントロールできます。
3. 水中運動では、動きそれぞれに特別な負荷がかかります。
開始、制止、再開始を繰り返すことを有効に使いましょう。
またアクアビクスでの運動種目を変更する際は余裕をもって知らせることも必要です。
※慣生の法則(ニュートンの第1法則)により、一定に運動をしていると物体に外力を加えると、物体には動きの変化に抵抗しようとする力が働きます。
4. 水中では、細く軽い人に比べ、体重が重く、表面積の大きい人ほど、より多くのエネルギーを消費します。
※加速度の法則(ニュートンの法則)により、物体の加速度は加わる力の大きさに比例し、物体の質量に反比例します。
5. 水中では、自分で、運動を援助することが出来ます。
つまり、前進歩行のときに、手で水を後ろに押しやる動作で前進歩行を援助し、前方へ水を押しやれば、前進歩行の抵抗を増すことが出来ます。
※作用、反作用の法則(ニュートンの第3法則)により作用と同等の力での反作用を受けます。

ちなみに、…抵抗の種類は3大抵抗があります。
a.造波抵抗
b.過流抵抗
c.粘性抵抗

ある物体が水中を動く時、物体の前面と後面とで水圧が変わってきます。
水圧は前面で大きくなり後面では減少します。これを、ベルヌーイの法則といいます。
水中歩行の場合、このベルヌーイの法則により、前の人の後をついて行く方が楽に歩けます。
高齢者や筋弱化をおこしている方の歩行訓練の際には、指導者はクライアントの前を歩き抵抗負荷を少なくして指導してあげる方法をとってあげると良いですね。
泳ぎを補助する際にも有効ですよ!
また乱流による水圧の低下は、動きに対する抵抗となるだけでなく、目的的に応じた動作を行う手段として使うことも可能です。
ベルヌーイの法則=圧エネルギー+位置エネルギー+運動エネルギー=一定


加速度の法則(ニュートンの法則)により、物体の加速度は加わる力の大きさに比例し、物体の質量に反比例します。
水中では細い軽い人と比較し、体重の重い体表面積の大きい人が移動する時には多くの運動エネルギーを要します。
加速度の法則により、水中を前進する時に手で水を後方へ押し返せば運動を援助し,反対方向の運動は抵抗を生みます。